自家製ヨーグルトで健康家族

　牛やヤギの乳（ちち）に乳酸菌や酵母を混ぜて発酵させて作る乳製品のこと。成分規格は無脂乳固形分8.0％以上で乳酸菌数（または酵母数）が1000万/ml以上とされています。

　私たちが普段呼んでいる「ヨーグルト」と言う言葉は、トルコ語の「ヨウルト」に由来しています。「ヨウルト」は「かくはんすること」を意味する動詞yo?urtmakの派生語。日本での正式名称は「発酵乳」です。今度、ヨーグルトを買ったとき、パッケージをよく見てください。「発酵乳」と書かれていると思います。

　乳には「カゼイン」と言うタンパク質が含まれ、このタンパク質は酸と出会うと凝固する性質を持ちます。乳の中の乳酸菌が乳酸と言う酸を作り出すことで、タンパク質が固まり、ヨーグルトとなります。乳と酸が出会うと固まると言うことは、牛乳を飲むと胃の中の胃酸により、胃の中で牛乳が固まります。

　ヨーグルトの表面にある透明の液体は、ホエーと呼ばれるものです。ホエーは、乳酸菌の発酵が進んだり、振動などによって分離したものです。ホエーには、水溶性のタンパク質、ミネラル、ビタミンの一部などの栄養が含まれているので、捨てることなく一緒に食べてください。ヨーグルトをザルなどの上にしばらく置いておくとホエーが抜け出して、とても軟らかいチーズのようになります。

　「乳糖不耐症」とは牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、下痢や腹痛を起こしたりする症状。成人の20〜30％に症状が見られます。原因は、牛乳に含まれている乳糖。乳糖がそのまま大腸に残ってしまう。乳糖は大腸の浸透圧を高め、大腸の中に水分がたまります。また、乳糖が発酵して乳酸や炭酸ガスが発生、腸を圧迫・刺激します。ヨーグルトは、発酵により乳糖の一部が分解され、また乳酸菌には乳糖の分解を助ける機能もあるので、乳糖不耐症対策の一つとしておすすめします。

　「飲むヨーグルト」はヨーグルトをかくはんして軟らかくしたもので、成分はヨーグルトと同じ。

　乳酸菌飲料はヨーグルトを原料に水分、糖分、香料などを加えて作ります。このうち無脂乳固形分が３％以上のものを「乳製品乳酸菌飲料」といいます。

プレーンヨーグルト
　乳を乳酸菌で発酵させただけのシンプルなヨーグルト。砂糖などは加えられていません。
ハードヨーグルト
　乳を発酵させて、寒天やゼラチンなどで固めたヨーグルト。砂糖や香料などを加えたものが一般的です。
ドリンクヨーグルト
　ヨーグルトを砕いて液状にしたドリンクタイプのヨーグルト。砂糖や香料などを加え飲みやすくしています。
ソフトヨーグルト
　プレーンヨーグルトをかくはんして、なめらかにし、果汁や砂糖を加えたソフトタイプ。ハードタイプのように固めていません。
フローズンヨーグルト
　ヨーグルトをアイスクリームのように凍らせたもの。凍結していますが乳酸菌は生きています。

　発酵は食品に微生物が繁殖してその成分が変化したもの。人間にとって有効なものを生成するための微生物代謝。

　発酵も腐敗も仕組みは同じ。人間にとって有益なものが発酵で、有害なものを腐敗と言っています。

　乳糖やブドウ糖を分解して乳酸を産生する細菌の総称を乳酸菌と言います。残念ながら乳酸菌というのは、99％が胃酸で死んでしまいます。生きた乳酸菌が腸まで届くことはほとんどないと言ってもいいでしょう。

　ヨーグルトを作る乳酸菌は、「ブルガリア菌」「サーモフィラス菌」「クレモリス菌」です。この他にも「ビフィズス菌」「LG21菌」などがあります。ヨーグルトの種類は、どの菌で作られたかによって決まります。

　ヨーグルト製造後も乳酸菌は生きています。生きている乳酸菌がどんどん乳酸を作り出しているので、すっぱさが増していきます。大体、製造後7〜10日くらいまでがおいしく食べれます。

　ヨーグルトは牛乳から造られています。牛乳と言えばカルシウムです。日本人に不足していると言われるカルシウムですが、牛乳から摂取するよりも、ヨーグルトからの方がたくさん摂取することができます。牛乳が苦手だけど、ヨーグルトなら食べられると言う人もいると思います。そんな人はヨーグルトからカルシウムを摂取してください。カルシウムは歯や骨を丈夫にしたり、イライラするのを防いでくれたりします。